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ミシェル•タピエの功績

前回のブログではバルセロナの展覧会で鑑賞したアンフォルメル・アートや「具体」の作品のことについて書きましたが、それらの作品を広く世間に紹介した人物について少しここで触れたいと思います。その人物の名前はミシェル•タピエ、フランスの美術評論家です。彼こそが比定型の芸術という意味の『ラール・アンフォルメル』という用語を作り、その新しい抽象芸術運動を提唱しました。

ミシェル•タピエは大変芸術を見る目に長けていました。かのジャクソン・ポロックをアメリカから招き展覧会を企画しました。又、「具体」に注目し日本まで来日、白髪一雄氏の作品を大変気に入り、彼にパリの画廊で個展を開催するよう依頼します。間違いなくミシェル•タピエと「具体」との出会いは具体作家達にとって大きな転機だったと言えるでしょう。ミシェル・タピエは具体美術協会を日本におけるアンフォルメル・アートとして広く海外に紹介したのです。

1950年代という時代にミシェル•タピエのように大変グローバルな視野でアートに目をむけていた人物がいったいどれほどいたでしょう。その先見の目と鋭い審美眼がとらえてきたものは一体なんだったのか。その答えは今日我々に残された過去の遺産ともいえる巨匠達の作品の中にあるのかもしれません。ただひとつ言えることは、それが簡単に吹き飛んでしまうような流行ものではなく普遍性があるものだということです。

ミシェル・タピエは次のような言葉を残しています。
『芸術は今後、世界的な規模でしか考える事ができないのである。』

あらゆる場面や状況でグローバルやインターナショナルという言葉が簡単に頻繁に使われる昨今ですが、ともするとそれが多用されていて軽々しく聞こえる
こともありますが、上記したようにミシェル•タピエが「世界的な規模で芸術について考える」と発言した言葉には、彼の軌跡を思うとその発した言葉に重みが感じられます。

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by galerie-h | 2016-06-22 16:08
先月までバルセロナにあるアントニ•タピエス美術館で大変興味深い特別展が催されていました。特別展のタイトルは「活動の記録」。このシンプルなタイトルの副題として、デニーとコルディエのコレクションより(1947−1965)と表記されていました。この展覧会ではフランスのトゥールーズにあるレ・ザバトワール(近現代美術館)が所有する約70点もの作品が公開されました。これらの作品の選別の主軸をなしたのがアンソニー・デニー(インテリア・デザイナーでアート・コレクター。雑誌ボーグの写真家。)のコレクションとダニエル・コルディエ(美術品収集家、画商)のコレクションです。双方のコレクションは1940年代終わり頃に現れたアンフォルメル・アートを証言するものであり、そしてそれらのアートは迅速にマーケティングされ、国際的な現代に吸収されていきました。
 この「活動の記録」と題された特別展の要は様々なアンフォルメル・アートの作品の数々でした。ジャン・デュビュッフェ、サム・フランシス、ジョルジュ・マチュー、アントニ•タピエスをはじめとする数々の代表的な作家の作品に加え、日本の「具体」の作家の作品も含まれていました。金山明、生延正俊、嶋本昭三、白髪一雄、鷲見康夫、田中敦子、上前智祐、吉田稔郎、吉原治良といった豪華な作家達の作品を一度に鑑賞することができました。
「具体」の作家達の作品は展覧会の中では大きな一室のスペースがまるまる具体作家達の展示スペースとして使われていました。大きなスクリーンも用意されていて、そこに具体作家達が屋外公園や舞台などで行ったパフォーマンス等が次々に写し出されていました。そして具体作家達の機関誌、「具体」もまとめて何冊か展示されていて興味深い物でした。それは1955年以降に創刊されたもので、年期が入っていて本の色は古びていたものの、デザインといいレイアウトといいそのモダンさには驚かされるものがありました。当時の「具体」の作品の数々を目の前にして、その作品と活動が当時どれほど前衛的なものであったかということを改めて思いました。
 
今回の特別展で、抽象絵画を中心としたグローバルな美術の流れを様々な作品を鑑賞することで感じ取ることができたのですが、その影に美術を愛し、美術を支持し、そしてそれを収集、売買してきた人々の尽力があるのだということも思い起こさせてくれる大変素晴らしい切り口の特別展でした。

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by galerie-h | 2016-06-01 12:54