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スペイン•バルセロナ郊外にあるガリーファ村という自然に囲まれた小村(人口は100人ほど)に世界中からアーティストが集い学ぶアトリエがあります。その芸術活動の運営に携わっているのがアルティガス財団。そしてジョアン•ガルディ•アルティガスというアーティストがこの財団を主催しています。彼は陶芸や彫刻の分野で活躍している作家です。彼の名前をご存知でない方もおられるかもしれませんので少しこの作家についてふれてみたいと思います。

ジョアン•ガルディ•アルティガス、その名前からスペインはカタルーニャの出身であることが伺えるのですが、1938年にパリで出生しました。彼は幼い頃から20世紀のアートに革命をおこした芸術と芸術家に囲まれながら育ちました。というのも彼の父親はジョアン•ミロと共同制作して様々な作品をつくっていた芸術家だったのです。そのような恵まれた環境にいたアルティガスは必然的に10代でミロのアシスタントとして工房で働きはじめます。アルティガスの父親は常に陶芸制作をジョアン•ミロと行い大変深い交友関係を築いていた一方でピカソとは不仲であったようです。というのもピカソは陶芸の分野においては常にラウル•デュフィと共同制作をしていたようでアルティガスの父親とは一度も共同制作しなかった事が原因のようですが、ライバル意識もあったのでしょう。ですが息子のアルティガスはピカソに魅力を感じていたようで、ある日ミロとピカソに会いにいったそうです。その時彼らがピカソのアトリエで見た絵は、ミロの絵画に出て来る人物にそっくりなものがピカソの絵に描かれていたようで、それを見たミロは我慢しきれずにピカソにむかって(パブロ!その絵の人物の頭は僕の物だよ!!)と言うとピカソはミロを抱きしめながら(いや、この頭は僕たちのものだよ。)と愛情深い声で答えたそうです。

アルティガスはこのような巨匠達に囲まれながらアートにおける単純さ、衒学的ではないユーモアのセンスというものを学んでいったのです。そのような彼が芸術の道をこころざすことに決めたのは自然な流れで、パリのエコール•ド•ボザールに入学しました。その時にアルベルト•ジャコメッティと親友になります。アルティガスはジャコメッティの助言のおかげで彫刻を学び始めます。そしてジャコメッティの制作する彫刻はアルティガスに大きなインスピレーションを与えました。アルティガスは親友のみならず仕事の同志にも恵まれていて、パリの陶芸アトリエではブラックやシャガールと共に働きました。何と恵まれた芸術家の青春時代でしょう。才能あるものというのは自然と引き寄せ合うのでしょうか。そんな矢先、アルティガスの父親が年齢のため弱ってきたため、ミロがアルティガスにスペインに戻ってくるように呼びかけます。以後ミロとアルティガスは20年にわたって共同制作のよきパートナーとなります。その後ミロは他界してしまいますが、今日二人によって共同制作された大きな陶板絵画や陶芸彫刻は世界中で見る事ができます。ハーバード大学、パリのユネスコ、スイスの美術館、日本の大阪万博記念公園跡地、バルセロナにおいては空港から街のいたるところで二人の共同作品を鑑賞することができます。
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アルティガスのプライベートについて少し言及しますと皆様親しみをもたれるかもしれません。彼にはつれ添って50年になる日本人の妻がいます。そして彼はペルシャや中国、エジプト、韓国、日本そしてギリシャといった順で各国の陶芸に深い関心があるようです。
ジョアン•ガルディ•アルティガスは現在78歳です。そのような彼の姿をついこの間、スペインの新聞記事の文化欄で拝見しました。インタビュー記事とともに本人の写真が掲載されていました。写真の中の彼の表情を見ると目のくりくりとした優しげなおじいさんといった柔らかな印象なのですが、その目には現役アーティストとしての力強さが感じられます。そのようなアルティガスの言葉をここに引用します。
(私は装飾的な芸術といった美しさは求めてはいません。真実を常に探求しています。そしてその真実というのは他人の目から見た真実ではなく自分自身のための真実なのです。)
混沌とした現代において、彼のような芸術家の明瞭で迷いのない言葉に強い光を感じるのは私だけでしょうか。

バルセロナ郊外の小さな村で釜の炎と煙に包まれながら、陶芸や彫刻制作をこつこつと真摯に行っている前衛芸術家、それがジョアン•ガルディ•アルティガスなのです。

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by galerie-h | 2011-10-31 14:22