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バルセロナの繁華街の中に異色の空気を漂わせ、針金の大きな作品を乗せてそびえ立つ個性的な建物がある。アントニ•タピエス美術館。決して大規模な美術館ではないが、アントニ•タピエスの作品、世界観を十分に堪能する事が出来るゆえ館内の内容は常設展、特別展ともに大変充実している。
ひとたびこの建物に足を踏み入れると、都会の喧噪から静かな空気の流れる独特の異空間に迷い込んだような錯覚をおぼえる。
静謐な館内を彩るアントニ•タピエスの作品の数々。大きな作品がのびのびと壁にかかっていて、とても大きな作品の数々はサイズ的にも画力的にも迫力があるのだが、自己主張の過ぎた巷で見かける素人の作品とは一線を画している。自由で型破りな絵画でありながら、どこか品性がある。多くを語る説明的な絵画でもない。しかしながら鑑賞する側は様々な情景をタピエスの絵画に見つけることができる。タピエスは次のように作品について独自の見解を述べている。
(ひとつの芸術作品は鑑賞者を当惑させるような、それはつまり鑑賞者に人生の意味について思索にふけさせるような作品でなければならないと思う。)
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タピエスの作品は一見シンプルでどこか哲学的に感じる。
それはどこか東洋哲学に通ずるようなものを彼の作品の中に見るような感覚である。実際タピエスは、かつて東洋美術及び東洋哲学に魅せられたというのであるから、我々が彼の作品に東洋的なものを感ずるのはなんら不思議な事ではないのだろう。仏教の影響を受けて、タピエスはその作品の中で物質と精神のはざまを溶かし、人生に内在する精神的な苦悩を表現することを試みたりもしている。タピエスは今日に到るまで国際的な評価を数々得て来た20世紀の現代美術の巨匠の一人と言われている。タピエス美術館に行くまで、この巨匠の光の部分、つまりは評価された作品の事以外は特にタピエスについて深くは知らなかった。彼の言葉や、たどってきた歴史等をタピエス美術館のオーディオルームでのドキュメンタリービデオや展示説明で色々と知ることができた。若い時に生死をさまよう大きな病を乗り越えた事、大学で法律を勉強していたが芸術の道を目指すため、その勉強を途中で断念したこと、政治的イデオロギーの強い父親とカトリック正教に傾倒した母親との間で、独自の自らの精神世界を見いだそうとしたこと。
昨今、自分探しという言葉が容易に使われているような気がするが、タピエスの作品を鑑賞していると(自分探し)という言葉が浮かんできた。タピエス美術館でタピエスの作品と対話していると、禅問答をしているような気分になったのである。

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by galerie-h | 2011-02-01 16:05