ピカソとイベリア芸術
2021年 06月 01日
現在、スペインのサンタンデールで
「イベリアのピカソ」
というタイトルの大規模な展覧会が開催されています。
イベリア(スペイン)という、ピカソの生まれ故郷のイベリア芸術と、それがピカソの作品に影響を与えたことに焦点を当てた大きな展覧会は、これが初めてのことです。パリのピカソ美術館やスペインやイタリアの考古学関連の博物館も今回の展覧会に協力しており、この展覧会ではピカソの作品はもちろんのこと、ピカソに影響を与えたイベリア彫刻などのイベリア芸術にも触れることができます。
ピカソにインスピレーションを与えたイベリア芸術とは、一体どのようなものでしょう。
ピカソは1906年にパリのルーブル美術館で、自分の生まれ故郷に起源を持つ、イベリア芸術を発見しました。当時、発掘されたばかりの、泥と石灰岩でできた、シンプルな線と無表情な特徴がある、イベリア彫刻がフランスの美術館で展示されたのです。そのイベリア彫刻との出会いはピカソの芸術への想像に組み込まれ、その出会いは、ピカソが古典的な絵画手法から離れていくきっかけになったとも推測されています。もしピカソがこのイベリア彫刻と出会っていなければ、キュビスムの名画も創造されなかったかもしれません。
偉大なピカソの絵画研究は、新しい観点からその芸術を考察したり、享受するために、今日も日々続けられています。そして、この「イベリアのピカソ」の展覧会はその研究の一つの集大成といえるでしょう。

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