ボテロとピカソ その1
2021年 01月 28日
今から三年前、南仏のエクサン・プロヴァンスで
『ボテロとピカソの対話』という展覧会が催されました。
ボテロはコロンビアの芸術家で、89歳の現在も精力的に美術活動、制作を続けています。現存作家の中でボテロは、最も展覧会が催され、彼に関する書物も最多で出版されている芸術家と言われています。
そのようなボテロが、数多くの作品を残したピカソに例えられたり、ピカソと比べられるのも無理はありません。ボテロ自身、巨匠ピカソから多大な影響を受けてきたことを認めています。ボテロは若い頃から、ピカソの青の時代とバラ色の時代、そしてずっと後の静物画の時代を大変賞讃してきました。キュビズムの時代のタッチをいくつかの自分の作品の中にも取り入れるに至ったと語っています。
ボテロは、ピカソが新しいもの、自分のオリジナリティを追求する姿勢を大変尊敬していました。
ですが、その一方で、ボテロはピカソの追随者では決してないことをきっぱりと断言しています。
ボテロ自身、自分の、自分だけのスタイルを確立していることを、大変自負していることが、その言動から伝わってきます。
ボテロは『ボテロとピカソの対話』の展覧会で次のように語りました。
「この展覧会が開催されたことは、私にとってピカソへの最大の賛辞であり、それと同時に大巨匠と並んで自分の作品が展示されることは、自分にとって最大の名誉である。」
「私はピカソの作品に打ち負かされたとは感じていません。私の絵のスタイルは明確ですし、今ここに私の作品がピカソの作品と一緒に並んでいるのは、毎日65年以上もの間、私が絵画を書き続けてきた結果なのです。」