マティスの描いたクリスマス
2020年 12月 23日
12月になると、街や店舗のイルミネーションや飾りつけが、クリスマスの時期の到来を感じさせてくれます。今年はカトリック国のイタリアやスペインでも、世界的に見られる様々な事情により、例年とは少し違ったクリスマスになるであろう、という事をテレビのコメンテーターなどはしばしば口にしてきました。そのような今現在の世界情勢や都合とは関係なく、今年もクリスマスはやってきます。
以前こちらのブログで、クリスマスカードのデザインをしていたアンディーウォーホルの事をご紹介させていただきました。一般大衆が思い描くクリスマスのイメージを見事にお洒落なイラストに表現したのがアンディーウォーホルでした。
しかし、本来クリスマスというものはキリストのミサという意味でもともとは宗教的なもの。では本当の意味でのクリスマスの絵画とはどういうものでしょう。そう突き詰めて考えると宗教画に至ります。
では荘厳な宗教画でもなく、商業的なイラストでもない、画家によって描かれたクリスマスをテーマにした絵画とは、一体どのようなものがあったかなと考えてみると、色々とありますが、マティスの描いたクリスマスは皆様ご存知でしょうか。
1950年代にヘンリ・マティスによって制作されたNuit du noel(クリスマスの夜)。ステンドグラス制作のために描かれた一枚の絵画。絵画の中央上に大きく描かれた星はクリスマスの聖夜を象徴しているようです。
抽象的なマティスの表現が見る人それぞれの想像力を掻き立てる、クリスマスを描いたとてもシンプルな作品です。
私はただ、季節が与えてくれる感覚によって刺激を受けるだけだ。
ヘンリ・マティス