マティス(ロザリオ礼拝堂)
2020年 08月 28日
「ニースの光は素晴らしい。この光を毎朝見られると気付いた時、自分に訪れた幸運を僕は信じられなかった」
これは、二十世紀を代表する画家の一人、ヘンリ・マティスの言葉です。
コートダジュールの光を愛した画家マティスは、その人生と芸術を祝福するかのように、最晩年、南仏にてロザリオ礼拝堂を設計、デザインしました。窓のステンドグラスから祭壇、十字架、司祭の式服まで、ありとあらゆるデザインを手がけました。
「この礼拝堂は私にとって、画家としての人生すべての結果であり、紳士で困難で絶大な努力が実を結んだものである」
車椅子とベッドでの生活を余儀なくされていたマティスにとって、この礼拝堂を設計することは決して容易いものではありませんでした。そうして4年の歳月をかけて建てられた礼拝堂について、マティスは以上のように述べたのでした。
マティスの芸術の集大成となったロザリオ礼拝堂を、マティス自身、「生涯の最高傑作」と言いました。
そしてロザリオ礼拝堂の完成から3年後に、その生涯を静かに閉じたのです。
