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モネが円熟期に描いた「ひなげし」


先日スペインからフランス国境付近への道中で、あたり一面がひなげしの花で真っ赤に染まる景色を目にしました。その景色を見てクロード・モネが描いた花畑が即座に脳裏に浮かんできました。モネといえば晩年に描いた「睡蓮」などが有名ですが、皆様はモネの作品といえばどのような絵画を想起されますか。


モネは自然光をとても愛した画家で、主に屋外で作品に取り組む姿勢と、その作風は印象派の代表として広く知られています。


モネがパリ近郊の町、アルジャントゥイユにアトリエを構えたのは1871年のことでした。ここにはわずか6年しかいなかったのですが、ここでの日々は芸術家のモネにとって、そしてまた彼の絵描き仲間でもある印象派の画家達(シスレーやマネ、ルノワール)にとってとても実りのあるものでした。

 この地域の様々な景色や情景は、モネに余すことなく幻惑的な自然光をふりそそぎ、そしてモネはそれらをパレットの中で美しい色彩へと変えていったのです。

そういったモネにとって幸せで充実していた時期に描いた作品が「ひなげし」でした。この作品には複雑なものは何もありません。そこに描かれているのは、一面のひなげしが咲く丘をゆっくりと歩く一人の女性とその横でひなげしを持っている小さな子供の姿。女性はモネの妻のカミーユで、横の子供は息子のジャンだと言われています。この作品、じっと眺めていると風の囁く音が聞こえてきそうな、雲がゆっくりと動いているような、そんな錯覚を覚えます。そういった錯覚を鑑賞者に与えてくれるのは、モネの卓越した表現力によるところでしょう。アルジャントゥイユの花畑での一瞬の風景をスローカメラでとらえたような躍動感のある一枚。


もしパリまで足を運ばれることがございましたら、オランジュリー美術館に展示されている大作の「睡蓮」だけでなく、オルセー美術館でひっそりと展示されている小さな作品「ひなげし」も、是非注目していただきたい一枚です。

モネが円熟期に描いた「ひなげし」_e0122611_13264918.jpg



by galerie-h | 2019-05-08 13:31