ロイ・リキテンスタインのポスター
2019年 01月 31日
街を歩くと実に様々なポスターに日々出会います。そして街角に新しいポスターが貼られたかと思えば、また違うポスターがその上から貼られたり、張り替えられたりと、情報社会の都会のポスター事情はとかく慌しいものですね。
千差万別のポスターの中で、たまにデザインなどが目を引くポスターに出会うこともありますが、あまり近年でこれは!と思うポスターを見かけた覚えがありません。しかし、最近、実に個人的な感想ではありますが、これはスカッとしてていいな、と思うポスターを見ました。横尾忠則が新しいNHK大河ドラマのためにデザインしたポスターです。ここでポスターの内容の詳細を書きませんが、大変シンプルで良い、と思いました。ポスターの原点回帰というか、簡潔で大胆で自由な印象がします。それは今までに、数々の素晴らしい繊細なポスターを数多く手がけてきた横尾忠則だからこそ、できた技なのでしょう。
時代は少し遡るのですが、シンプルで力強い印象のポスターで、脳裏に思い出すのが、1984年ロサンゼルス・オリンピックの公式ポスターです。ポップ・アートの旗手、ロイ・リキテンスタインが製作しました。
単純なフォルムながら躍動感にあふれる素晴らしいポスターです。
誰が見てもわかりやすく、はっきりとしていて、でもそれだけではない魅力、作家の個性がはっきりとポスターの中に存在しています。
ロイ・リキテンスタインは自分のアート作品について次のような言葉を残しています。
「僕の作品は見方についてであって、形については言及していない」
この彼の言葉は決してポスター論ではないのですが、
ロイ・リキテンスタインが手がけたような、際立つポスターの本質に迫るような言葉にもとれる気がします。