芸術と音楽(パウル・クレー)
2018年 05月 31日
英語やフランス語で「女神」を意味するミューズという言葉、その語源はギリシア神話のムサ(ムーサ)からきています。ギリシア神話では文学や芸術を司る女神たちのことをムサと言います。そしてこの「ムサ」という言葉から産まれた、ミューズという言葉は、ヨーロッパの多くの国で派生して、ムシカ、ミュージック(音楽)、ミュゼ、ミュージアム(美術館、博物館)という言葉が生まれました。
便宜上、音楽と美術という、それぞれ違うカテゴリーに分かれてはいるものの、その語源の大元が同じものであるというのは大変興味深いものです。美術は好きでも音楽はそれほどではない、という人もおられるかもしれませんが、ここでは美術も音楽も非常に愛した芸術家について少し触れたいと思います。
キース・ヘリングは、ラジカセなどで大音量でロックを聞きながらライブ・ペインティングを行いました。
小磯良平は朝、作品の制作前や制作後にアトリエで大好きなクラッシックをよく聴いていたといいます。
奈良美智はパンクやロックを聞きながら作品を制作したりするようです。
例を挙げればきりがありませんが、芸術家と音楽は密接に結びついていることが多々あります
様々な古今東西の芸術家の中でも、一際音楽を愛した芸術家がいます。パウル・クレーです。音楽一家の元に生まれたパウル・クレーは幼少から音楽に親しみ、幼くしてスイスのオーケストラに籍を置くほど、ヴァイオリンの腕はプロ級でした。その後様々な迷いの中で、絵画の道を選択しました。そうしてその選択のおかげで、今日私たちはパウル・クレーの素晴らしい作品の数々を鑑賞することができます。
「芸術の本質は、見えるものをそのまま再現するのではなく、目に見えないものを見えるようにするものである」
Paul Klee