ティッセン=ボルネミッサ美術館のコレクション展
2017年 01月 31日
スペインの首都マドリッドに、ティッセン=ボルネミッサ美術館という美術館があります。この美術館のコレクションはドイツの鉄鋼財閥ティッセン家とハンガリー貴族ボルネミッサ男爵家の流れを汲むハインリヒ・ティッセン=ボルネミッサ男爵とその息子が買い集めたものが元となっています。そのコレクションは多岐にわたり、14・15世紀の作品から、ルネッサンス期やバロック期の作品、そして印象派から20世紀にいたるまで様々な巨匠の作品を所有しています。
現在、ティッセン=ボルネミッサ美術館のコレクション62点がバルセロナのカイシャ・フォルムギャラリーで展示されています。その中には今まで門外不出だった作品も出展されているということもあり、連日多くの人がこの展覧会を訪れています。
展覧会のタイトルは「これまで一度も見られる事のなかったティッセン」。
この展覧会を訪れて興味深かったのは、年代順に作品を追うという形をとっていなかったこと、そしておのおのの絵画を流派で分けて展示するという形をとる代わりに、西洋美術における5つの大きなジャンルを通して、その5つの区分の中で年代別を問わずに絵画を紹介していく形式だったことです。5つのジャンルは宗教画、肖像画、静物画、風景画そして都会の風景画という区分に分けられていました。例えば宗教画のジャンルでは初期ルネサンス期のイタリア人画家、フラ・アンジェリコの宗教画の側に20世紀のロシア出身の画家、マルク・シャガールの宗教画が展示されていました。又、バロック期を代表するレンブラントと20世紀の画家、エドワード・ホッパーが同じジャンルの中で展示されていたりと、展示の展開の方法になかなか新鮮な印象を受けました。
この展覧会のパンフレットの中に次のような文章が書かれていました。
「全く時代の違う芸術家や作品を比較したり、分析するという展示方法は、私達鑑賞者に新しく強烈な芸術体験を起こさせる」
確かに今回のような展覧会の展示方法は、何か凝り固まった既成概念を打ち破るような爽快さがあり、不思議かつ新鮮な感覚を想起させるものでした。
絵とはアカデミックに見るものではなく、自由に楽しむものだという原点に立ち返らせくれる展覧会でした。


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