サルバドール・ダリへの質問
2015年 10月 02日
「もしもこのプラド美術館が燃えてしまうとしたら、何を救い出そうとしますか。」
この質問に対してジャン・コクトーは「火だ!」と答えます。火をとりのぞいてしまえば美術館が燃える事はなくすべての作品が守られると思ってのことでしょうか。
そしてこのジャン・コクトーにあてられた同じ質問がダリに繰り返されました。
ダリはほんのわずかな瞬時にいかにも熟考しているようにみせかけ、それから陶酔しきった様子で次のように答えました。
「わたくしダリならば空気を救うでしょう。とりわけベラスケスの作品、ラス・メニーナスの絵画に含まれている空気を救うでしょう。その作品の空気は存在する空気の中でもひときわ上質な空気なのですから。」
このダリの風変わりな返答を聞いたコクトーはその場で脱帽したとのこと。
20世紀を代表する芸術家で自らを「天才芸術家」と言い放ったスペインの芸術家サルバドール・ダリ。シュルレアリスムの代表作家でもある彼の言動や行動はいつもセンセーショナルで常に注目を浴びてきました。
そのようなダリが評価していた画家はベラスケスとフェルメールでした。
確かに上記のプラド美術館に関するダリの返答は風変わりではありますがベラスケスへの畏敬の念は充分につたわってきます。
ダリはベラスケスのラス・メニーナスを自分なりにアレンジして描いています。その作品ではベラスケスは7、マルガリータ王女は8というふうに登場人物達はすべて数字で描かれています。ベラスケスのラス・メニーナスはおおくの有名な画家達がその作品にインスピレーションを受けて再構築した作品を描いていますが、ダリのラス・メニーナスは発想からしてすでに異彩を放っています。
それにしてもプラド美術館についての質問はなかなか興味深いものです。もしも皆様ならどのような絵画が後世まで残ってほしいと思われるでしょうか。
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