ATSUKO TANAKA-田中敦子-
2015年 06月 30日
戦前日本の前衛美術グループ「具体」を代表する女性アーティスト、田中敦子(1932−2005)です。
彼女の大規模な回顧展が2011年から2012年にかけてイギリス、スペインを巡回し日本で開催されました。
田中敦子の作品は音や光を使ったインスタレーションやパフォーマンスが有名です。彼女の代表作ともいえる「電気服」は9色の合成エナメル塗料で塗り分けられた管球約100個と電球約80個を組み合わせた光が点滅する服です。本人が実際にパフォーマンスでこの「電気服」を着用したこともあり、その映像を見た事があるのですが何ともいえない不思議でシュールな光景に言葉を失いました。近年アメリカ人歌手のレディー・ガガが奇抜な衣装を身にまとうことで話題をさらったりもしましたが全て出尽くした感のある今の混沌とした時代にそういう衣装、つまり服が登場しても何も驚くべきことではないように思うのです。それよりも50年代に「電気服」を考えだして、それを日本で着用した田中敦子のほうがはるかにアバンギャルドで驚くべきことに思うのは私だけでしょうか。この「電気服」、田中敦子は大阪駅のベンチに座っていた時に眺めた広告やそれを照らすネオンの点滅から着想を得たとのこと。
田中敦子はインスタレーションやオブジェだけでなく絵画作品もその注目に値します。カラフルな色彩の円と線が無数に織りなす前衛的な抽象絵画は無機質ではなく何か人間のもつあたたかみのような温度が感じられ気がします。
海外にも田中敦子の作品を評価する人は沢山います。物故作家ではありますが近年、日本の前衛アート「具体」に世界が注目していることもあり「具体」を代表する女性アーティスト「田中敦子」の価値は今後も上がっていくでしょう。
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