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ピカソの価値

次のようなピカソの逸話をご存知だろうか。

レストランのウエイターに絵を描くよう頼まれた40歳のピカソがナプキンにその場でさらりと描いた絵を、「代金は100万円です。」と言ったという。                   
その時の会話は次のようであった。
「わずか30秒で描いた絵が100万円だって!?」
「いいえ、この絵は30秒で描かれたものではありません。40年と30秒かけて描いたものなのです。」

5月12日、スペインのニュース番組が「我が国を代表するアーティストであるピカソの絵画がクリスティーズのオークションで史上最高値で落札されました。」と、とても誇らしげにそのニュースを報じた。
クリスティーズが5月11日にニューヨークで開催したオークションで、ピカソの絵画「アルジェの女達」が芸術作品としては史上最高値となる1億7940万ドル(約215億5000万円、手数料含む)で落札された。一体誰が購入を?と想像がふくらむところだが落札者についての詳細は明らかにされていない。

画家として、偉大なアーティストとして唯一無二の存在であるピカソが生前に次のような言葉を残している。
「私は対象を見えるようにではなく、私が思うように描くのだ。」

なんとも強気で自信あふれるピカソらしい発言ではあるが、この境地にピカソが至るまでに、一体どれだけの年月と何枚の絵が描かれてきたことだろう。

以前、とある美術館でピカソが若かった頃にお金を稼ぐために描いたエロティックなイラストを何点か見た事がある。とても小さな小冊子用のイラストであった。かのピカソもこのような仕事を引き受けたりしていたのだなと感慨深くそのイラストに見入った記憶がある。

今回のクリスティーズのニュースひとつをとってもそうだが、世間でピカソというアーティストにスポットがあたる時、彼がいかに画家として名声があり、世界的に成功を修めた画家なのかというところがますます強調されるような気がする。しかしながらそんなピカソにも恵まれない不運な時代があったこと、若い頃にお金を稼ぐためにやむを得ず描いた絵があるという深く暗い影の部分に思いを馳せると、そのコントラストにある光の部分がますます眩くなるのもうなずける。
そもそもプライスレスといっても過言ではないピカソの作品についた今回のクリスティーズの史上最高値、ピカソは空の上からどのように思っていることだろう。

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by galerie-h | 2015-06-04 15:29