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吉原治良の〇

いまや世界のGUTAIとして知られている「具体美術協会」の創設者であり、リーダーであった吉原治良氏。彼の代表作品といえばやはり大きな白地のキャンバスに、まるで大きな筆に墨をつけて一筆書きしたかのような大きな黒い円が印象的な作品でしょうか。この画風は吉原治良氏が晩年に到達したスタイルのひとつでした。この画風に到達するまでに吉原治良氏はどのような軌跡をたどってきたのでしょう。

吉原治良氏は10代の頃に独学で油絵をはじめました。20代には父の経営する製油会社に入って勤務のかたわら絵画に熱中します。その頃彼に大きな出会いが待っていました。フランスから帰国していた洋画家上山二郎と出会い、その影響をつよく受けるのです。そして上山二郎の紹介で日本に帰国していた藤田嗣治と知り合い、自分の作品を藤田嗣治に批評してもらう機会を得ます。しかしながらこの時、藤田嗣治は吉原治良に対してその作品に見られる他者からの影響を厳しく指摘したようです。これ以降、吉原治良氏の画風はオリジナリティを追求すべく前衛を常に主軸としつつ戦前から戦後を通じていくつかの変化を遂げていきます。
そのような吉原治良氏が1954年に「具体美術協会」を結成、リーダーとして「人のまねをするな」と若い芸術家たちを厳しく指導していきました。

吉原治良氏はその生涯を通じて決して筆を離すことはなく次々と作品を産み出していきました。その真摯な姿勢と行動力もさることながら、藤田嗣治をはじめとする素晴らしいアーティスト達との出会いが彼の今日存在する作品達に寄与したものは大変おおきいものだったのではないでしょうか。

大きな大きなキャンバスに、すべてを包括したような大きなまあるい円が印象的な吉原治良氏の作品。あなたはこの作品の前で何を想うでしょうか。

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by galerie-h | 2015-06-01 11:49