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「グローバル化するアートの実情Ⅰ」

大阪画商相互会の研修セミナーにて国際的なアートマネージメントとして研鑚を積まれ、現在アートフェア東京の実行委員会で活躍されておられる辛美沙氏をお迎えし、国際的アートフェアの最新実情をご講演いただきました。
現代アートの実情を中心に非常に興味深い内容のセミナーでしたのでご紹介したいと思います。
過去、最も高い値がついていたピカソや印象派の絵画をしのぎ近年市場最高額がついたのはジャクソン・ポロックやデ・クーニングといった現代アートの絵画で日本円で約140億円~150億円といった驚異的な値で売買された両作家は物故作家であるがちなみに現存の作家で市場最高額がついたのはジェフ・クーンズの「ハンキング・ハート」という作品で2360万ドルの値をつけた。
芸術産業の創出
全世界の美術品の総額は約35兆円といわれもはやアートは投資の域を越え、産業をも動かすマーケティングツールとして、アートが持つ経済的側面が見直され始めているそうです。
一例を取るとニューヨークのソーホは低家賃で商店を借りれるという土地がら若手のアーティストが気構えなく出入りできるような多くの画廊が軒を連ねていました。
近年の世界的なアートブームにより画廊の回りにこぞってお洒落なレストランや商店ができるようになり、倉庫街であったソーホは見るみるうちに土地値が上がりました。低家賃でお店を借りていた画廊は家賃の高騰についていけなくなりチェルシー地区に変わっていきました。
又、スペインのバスク地方、ビルバオという観光客も足を踏み入れないような土地に世界的建築家の「フランク・ゲーリー」が美術館を建てました。
美術館の回りにやはりこぞってレストランや商店ができ土地値が上がりました。
この様に辺境な地域にアートが来ることにより環境が変わるという現象が世界中で起こり、アートは不動産開発としての担い手にもなっています。
又、アートをマーケティング・ツールとして利用する企業も出現しています。
例えばアリゾナやテキサスの辺境地にプラダのブティックがファッションブランドの広告を掲げたりルイ・ヴィトンが日本人アーティスト「村上隆」を起用、コラボレーションした商品を発表。デンマーク人アーティスト「オラファー・エリアソン」をウィンドゥコーディネートに起用するなど企業イメージを図るということも盛んに行われている。
今やアートのもたらす力は計り知れないと言えるだろう。(後編につづく)
「グローバル化するアートの実情Ⅰ」_e0122611_16264559.jpg

ジェフ・クーンズ 「ハンキング・ハート」
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by galerie-h | 2007-12-21 16:37