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熊谷守一

のんびりと寝そべる猫、ぴちゃんぴちゃんと地面に落ちる雨滴、花のそばを舞う揚羽蝶、草むらの下をせっせと行き交う蟻、栗の実が割れた様子、まあるいお月様の光‥。

自分の身近に映る様々な動植物や光景を、よけいな装飾や凝った演出などは一切せずに、独特の鋭い観察眼によってシンプルな線と面と色で描いた画家、熊谷守一。そのシンプルでミニマルともいえる作風が、ともすると詩情漂って見えるのは何故だろう。

熊谷守一は岐阜県の裕福な家に生まれた。歪な大所帯の家で育てられる中で、彼はおとなのいろいろなことを見聞きして、子供心に何もかもわかってしまった気持ちになっていたという。小さいときから、おとなのすることはいっさい信用できないと思っていた。やがて父親の反対を押し切り、東京美術学校に入学し、首席で卒業した。にもかかわらず出世欲のなかった無欲な熊谷守一は42歳で結婚するまでの間、ぶらりぶらりと好きなことしながら過ごしていた。結婚後も絵筆を握らなかった時期があり、生活は苦しかった。そのため、病気の子供を医者に見てもらうこともできず、三人の子を次々と亡くしている。

熊谷守一の絵が売れだして、画家として生計が成り立つようになったのは50代半ばを過ぎてからのことだった。文化勲章などの勲章は辞退し、97歳で没するまで絵画制作のかたわら、昼間は夫人と碁を打ったり、庭に出て虫や草を眺めて過ごしたりと、誰にも気がねせずにしたいことをしてきた人生だった。

熊谷守一は「画壇の仙人」とも呼ばれたというが、晩年の写真を見ると確かに仙人のような風貌をしている。そしてその形相も人柄も作品もどこか飄々としていて味がある。

熊谷守一は「自分を生かす自然な絵をかけばいい」と二科の研究所の書生さんにアドバイスしたという。なかなかシンプルでありながら深い言葉だ。

 2017年は熊谷守一の没後40年で、日本各地で熊谷守一展の展覧会が開かれ、中でも12月から東京国立近代美術館で大規模な回顧展が開催される予定である。

何者にもとらわれず自由に生き、描いた熊谷守一のシンプルな作品を鑑賞することは、沢山の情報というしがらみに取り憑かれた現代を生きる私達にとって、一服の清涼剤となるかもしれない。

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by galerie-h | 2017-08-31 12:48