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岡本太朗の「太陽の塔」

大阪府吹田市にある万博公園にひときわ際立つ大きくて背の高い建造物が空にむかってまっすぐ立っています。
その建造物の名は「太陽の塔」。芸術家、岡本太朗の作品です。

「太陽の塔」は1970年に大阪で開催された日本万国博覧会のために創られた巨大モニュメント。この太陽の塔、シンプルなフォルムながらそこには太郎の様々な思いが込められていた事はご存知ですか。
 当時の万博のテーマであった「人類の進歩と調和」、しかし岡本太朗は「果たして人類は本当に進歩したといえるのだろうか」と万博のテーマに違和感と抵抗を感じていました。そしてこの言葉と真っ向から真剣に対峙すべく「太陽の塔」を制作することに決めました。岡本太郎は富と巨大な力を誇る大国だけが大きな顔をしているのは卑しく「祭り」にはならないと述べました。そして進歩主義や近代主義的な意識をこの際ぶち破らなければならないと思案します。
たとえ富や科学技術を持たない人々でも、その歴史の深さ、人間的深さによって、さらに誇らしい彩りを打ち出せるのだと主張します。
「太陽の塔」のモニュメントが原始的でアニミズムを想起させるような形をしているのは、そういった太郎の進歩主義に対する痛烈な批判があったことも一因をなすのでしょう。誤解があってはならないのは太陽の塔がただの反骨精神だけでつくられたわけではないということです。
大きい物だけに目をくれるのではなく人類の枝葉末節にまで思いを馳せ、様々な角度から深い考察をすることのできる岡本太郎の心の深さがあったからこそこの世に命を吹き込まれた「太陽の塔」なのです。 

機会があれば是非「太陽の塔」を直に鑑賞されてはいかがでしょう。
「太陽の塔」を様々な角度から眺めるのはなかなかユニークなものです。そして遠目から見るのと、近くから見るのとでは印象もまた違ってきます。

広い敷地にぽつんとそびえる「太陽の塔」。高いところからまるで我々の所行を傍観しているかのような「太陽の塔」。そのまわりにかつては活気あふれる博覧会が開催されていたことを思うと、さながら「夏草や強者どもが夢の跡」。
しかし「太陽の塔」は今日も夢の跡に幻ではなく、どっしりとその場所にそびえているのです。
岡本太朗の「太陽の塔」_e0122611_12191442.jpg

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by galerie-h | 2016-02-01 12:20